「鉄骨の家」と聞いたら、どんな家を想像するでしょう。一昔前までは、鉄骨造の家というと、屋根が無い、マンションを戸建てにリサイズしたような建物ばかりでした。
四角くて無骨で重厚なその佇まいは、日本古来の木造住宅とは一線を画す存在だったのです。また、その外観を好み、頑丈さを求める人こそが建てるものでした。
しかし、近年は好みにより鉄骨造でも屋根をのせられるようになり、外壁の種類も多様化してきました。
木造住宅においても、従来のモルタル塗りに吹き付けでは無く、サイディングを採用しているメーカーが激増したため、外観には大きな隔たりが無くなってきたと言えます。
外観の差が無くなってきたとしても、木造と鉄骨造では中身が大きく異なります。鉄骨造の良さは、なんと言ってもその頑強さです。特に、近年の度重なる震災を思うと、住宅に強さが求められているのは言うまでもありません。
ここからは今こそ求められる強い家、鉄骨系ハウスメーカーの中から大手2社を取り上げ、比較しながらご紹介していきます。
積水ハウスとヘーベルハウスの特徴
積水ハウス
出典:積水ハウス
ハウスメーカーといえば、まず初めにその名が上がるのはなんと言っても積水ハウスです。
鉄骨造、木造、どちらも手がける数少ないハウスメーカーであり、累計建築棟数第1位の実績は、誰もが認めるところです。
注文住宅だけではなく建売も多く手がけていますので、積水ハウスが手掛ける大規模分譲地では、様々な仕様のリアルサイズモデルハウスを見学することも可能です。
外観と内装のバランスの良さ、鉄骨造とは思えない豊かな表情、加えて耐震性の高さ、設計自由度の高さ、どれも抜きん出ています。
非常にハイスペックでハイセンスな家造りを叶えてくれる、ハウスメーカーの優等生的存在です。ここでは比較のため、鉄骨造に限った話を取り上げさせていただきます。
ヘーベルハウス
出典:ヘーベルハウス
対するもう一社は、もはや丈夫な家の代名詞ともいえるヘーベルハウスです。一度見れば誰もがそれとわかる特徴的な外観。
屋根のない四角いシルエットを鉄骨と印象付けているのは、ヘーベルハウスの存在も大きいかもしれません。
今も昔も変わらないヘーベルハウス然とした佇まいは、潔さを感じさせます。時の流れに左右されない風貌、躯体の強さ、設計自由度の高さは言うまでもありません。
無機質さを感じさせる外観とは一転して、内装は住空間にふさわしい温もりに溢れています。建具から壁紙に至る一つ一つの素材まで、ワンランク上の高級感を感じる住宅です。
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積水ハウスとヘーベルハウスの5項目を比較してみた
①工法は両社「鉄骨」
鉄骨造の大きなメリットは、躯体の強靭さとそれを活かした空間の有効利用が挙げられます。
大開口や、通し柱を使わない大空間、ビルトインガレージなど、空間を広々と活用することが可能です。ただし、鉄骨造の場合、木造と比較すると圧倒的に建物が重たくなります。
その為、地盤そのものが軟弱な場合、地盤改良を求められるケースがあります。その費用は数十万円~数百万円と高額な為、土地から探す場合はその点を充分に考慮しましょう。
積水ハウスは主に軽量鉄骨
積水ハウスは鉄骨の中でも軽量鉄骨、重量鉄骨の二種類を取り扱っています。一般的に戸建ての住宅で多く扱われるのは、軽量鉄骨です。
軽量鉄骨は重量鉄骨と比較すると部材の一つ一つが軽いため、工場での大量生産に適しており、コストが抑えられるというメリットがあります。重量鉄骨は、部材が太く重みがあります。
その為、少ない構造体で建物をしっかり支えることが出来、大開口や柱を使わない大空間を作るのに適しています。
ヘーベルハウスは重量鉄骨
ヘーベルハウスは重量鉄骨造のため、建物そのものの強さと空間自由度は非常に高いと言えます。
1階の建物よりも2階が飛び出しているオーバーハングを活用し、バルコニーを第二の庭として使用するといった提案も得意としています。
②価格
積水ハウスは坪50~80万円
積水ハウスで鉄骨住宅を建てた場合の坪単価は、およそ50万円~80万円と言われています。ハウスメーカーがよくいう「標準仕様」という考え方は、積水ハウスには当てはまりません。
良く言えば、自由に好きな設備や内装を選ぶことが出来ますが、良いものを選べばそれだけ金額も加算されていくということなのです。
その代わり、選択肢は幅広く用意されていますので、値段と性能と相談しながら気に入ったものを選んでいくことが出来ます。
ヘーベルハウスは坪70~80万円
ヘーベルハウスの坪単価は、約70万円~80万円ほどです。ヘーベルハウスも、「標準仕様
の概念は無いと言って良いでしょう。
設備、内装ともに多種多様なメーカーから選ぶことが出来ますが、性能が良いものは価格も高く、スタンダードなものを選べば価格も抑えられます。
③耐震
躯体に鉄骨を使用する鉄骨造の建物は、地震が起きた際に粘りによって揺れに耐える構造です。
鉄や鋼がしなり、変形することで地震に耐える為、倒壊までに時間を要するというのが一般論です。
積水ハウスの鉄骨住宅は、ダイナミック・フレームシステムにより支えられています。これは、積水ハウス独自の鉄骨軸組工法のことです。
また、シーカスと呼ばれる制震装置が標準装備されています。フレーム内の要所にシーカスを設置することで、地震の揺れが熱エネルギーに変換・吸収されて、地震が起きた際は揺れを抑え、建物への被害を最小限にすることが出来ます。
ヘーベルハウスの鉄骨は、ハイパワード制震ALC構造と呼ばれる、非常に耐震性の高い構造です。
鉄骨の柱と梁の間に張り巡らされた斜めの構造体、ハイパワードクロスが、強い制震性を発揮します。その為、少ない部材で強さを保つことができ、それが通し柱を必要としない間取りの自由度に繋がっています。
④断熱、気密性
積水ハウスの断熱材は、グラスウールです。壁にはグラスウール、1・2階の天井には高性能グラスウール、1階床にはポリスチレンフォームと、それぞれに適した断熱材を使い分けています。
これにより、省エネ基準は全地域標準仕様でクリアされており、品確法の断熱等性能等級4にも対応しています。
ヘーベルハウスの外壁材「ヘーベル」は、外壁でありながらその並外れた厚みにより、外壁材の常識を覆す剛性と断熱性を発揮します。
加えて、断熱材として独自に採用しているネオマフォームは、高い断熱性能と不変性を持っている為、年数と共に断熱性能が低下するリスクは少ないと言えます。
⑤メンテナンス
積水ハウスでは、構造躯体、雨水の侵入防止について、初期保証で30年間の無料点検が実施されます。
積水ハウスが誇る外壁材「ダインウォール」は、塗装の塗り替え・目地の打ち替え共に30年間メンテナンスフリーとなっています。
ヘーベルハウスは、外壁の塗り替え、シーリング、ベランダ防水など、30年目まではメンテナンス不要となっています。
カタログによれば、30年目で初めてメンテナンス費用が発生することになっており、その費用は45坪の2階建て住宅で、約400万円となっています。
積水ハウスとヘーベルハウス、どっちが良いの?
積水ハウスとヘーベルハウス、両社共に言えることは、耐震性・耐久性はどちらも申し分ないということです。また、強靭な躯体が可能にする大開口や大空間は、どちらのメーカーも得意とするところです。
3階建て、4階建てといった、より強さを求められる住宅にも適しています。土地の形状や使用状況に合わせて、ビルトインガレージを設けたり、1階よりも2階部分の床面積が大きいオーバーハングも、鉄骨造なら存分に叶えることができます。
外観にこだわるなら積水ハウス
外観にこだわりを持ちたいのであれば、積水ハウスをおすすめします。
ダインウォール、エコルデックウォール、セラブリッドウォールという表情の異なる外壁を持ち合わせた積水ハウスなら、鉄骨らしい重厚で角ばった建物も、木造かと思わせるような屋根のある豊かな表情の建物も、望み通りに造り上げることが出来ます。
積水ハウスのすごいところは、外観を整えながらも、住空間として心地よい間取りを両立できる、設計力の高さです。
窓の配置やバルコニーのバランス、凹凸のある表情豊かな建物でありながら、一度玄関ドアを開けると住み心地の良い計算し尽くされた間取りが広がっています。
プランの提案力は担当する営業マンの力量に大きく左右されてしまうのが玉にキズですが、腐っても積水ハウス。その優れた設計対応力により、理想の空間を造り上げてくれるに違いありません。
積水ハウスは住環境のレベルが高い
さらに、ホルムアルデヒドなどの有害物質を少なくするエアキス仕様により、住環境・空気環境にも配慮がなされています。
オプションで全館空調システムを入れることもできますので、予算と相談しながらにはなりますが、その卓越した技術力により、叶えたい夢を現実のものへと造り上げてくれることでしょう。
長きに渡り住むならヘーベルハウス
ヘーベルハウスが好きな人は、特徴的なあの外観に惚れ込んでしまったという方も少なくありません。そうなれば、迷うことなくヘーベルハウスを選ぶと良いでしょう。
流行に左右されない不変的な建物は、長きに渡って住み続けるに相応しい住宅と言えます。また、ヘーベルハウスでも屋根をのせることは出来ますので、一見してヘーベルハウスとは思えないような、純和風邸宅に仕上げることも可能です。
そして、無骨な印象の外観とは裏腹に、内装は落ち着いた上質な空間が用意されています。決して派手ではない中にも感じる上品で良質な心地よさは、深い安らぎを与えてくれます。
ヘーベルハウスは設計力と提案力が魅力
高い設計技術力は、住空間の設計はもちろん、収納の提案、ベランダの活用にも及びます。家の隅からすみまで無駄なく使い切る提案力と設計力は、安心して一軒の家を任せることが出来ます。
住宅の中でも増えつつある、「鉄骨」という選択肢。高い買い物にはなりますが、地震への備えとして、検討する価値は充分あるでしょう。
日常生活においても、災害時のシェルターとしても、「家」が家族を守ってくれる。それこそが、真に求められる住宅の在り方なのです。
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