重量鉄骨と軽量鉄骨の違いはなに?

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「鉄骨造」と聞いてまず思い浮かぶのは、ビルやマンション、公共施設などの大きな建物です。

20階を越える高層マンションや、ホールのような大空間、地下に駐車場を併設した商業施設など、これらの多くは鉄骨の建物です。

一方、戸建て住宅においても鉄骨造は存在します。屋根がフラットな陸屋根、屋上、ビルトインガレージやリビングの大空間など、戸建ての中でも趣向を凝らした家造りが可能です。

同じ鉄骨造でありながら、前者と後者ではその規模は大きく異なります。その違いは使用する鉄骨の「厚み」によって産まれたものです。

ここからは、「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」について、その差を比較しながら詳しく見ていきましょう。

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重量鉄骨と軽量鉄骨の違いは?比べてみた

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重量鉄骨は、主にアパートやマンション、大型商業施設など、大きな建物に使用されます。一方で、軽量鉄骨は戸建て住宅やアパートに使用されます。

重量鉄骨の戸建てが無いわけではありませんが、3階建以上の建物になる場合や、店舗併設、賃貸併用など、ケースとしてはごく稀です。

①坪単価(費用)

建物の代表的な構造による坪単価を、以下にまとめました。ただし、以下はあくまで目安であり実際はプランや面積、施工会社によって価格は大きく異なります。

また、公的データとしては「鉄骨造」の価格は「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の区分がされていません。しかし、重量鉄骨のほうが坪単価が高くなるのは確実です。比較検討の際は、各社に問い合わせてみましょう。

【木造】40万~60万
【鉄骨造】45万~70万
【コンクリート】60万~100万
【鉄骨コンクリート】50万~100万

②耐震性

軽量鉄骨の建物を支えるのは、鉄骨の梁や柱、それに「ブレース」と呼ばれる金属の斜めの棒です。ブレースは、木造でいうところの筋交いの役割を果たします。

重量鉄骨の建物は、構造体の柱が太いため軽量鉄骨よりも少ない数の柱で建物を支えることができます。また、ブレースを必要としないため設計自由度が高くなります。

軽量鉄骨と重量鉄骨、どちらのほうが耐震性が優れているのかは意見の分かれるところです。

大方は、躯体に厚い鉄骨を使用する重量鉄骨の方が耐震性が高いとされていますが、構造によっては軽量鉄骨も劣ることはないと言われています。

③防音性

一般的に、防音性は鉄骨の厚みの分だけ重量鉄骨が勝ります。

しかし、金属は伝導性が高い物質であるため、上階の音が下階に響くといった現象は避けられません。木造等の建物などに比べるとその性能は劣ります。

④税制面

土地、建物を所有するとかかってくる固定資産税。固定資産税の金額は、建物の構造、用途によって変化します。

新築の建物の初年度にかかる固定資産税は、その構造に関わらず8割となっており、そこから3年毎に見直しが行われ税金が下がっていきます。

最終的な評価額は、下限である2割まで下がります。鉄骨造であれば、30年~40年で税金の下限ラインに達すると言うのが一般的な見解です。

固定資産税の金額は、建物の評価、土地の評価に基づき算定されます。ざっくりした話をしてしまえば、建築費用が高く長持ちする建物であるほどに固定資産税は高くなると言えます。

⑤耐用年数

建物の固定資産税を決定する上で重要な要素である「耐用年数」。以下の表に示したものは「法定耐用年数」と呼ばれ、固定資産税を算出する上で必要となるものです。

上述のように、建物の造りが堅固であるほど固定資産税は高くなります。

また固定資産税の減少額は、建物の耐用年数によって左右されます。つまりは下表の耐用年数が長いほど、固定資産税も減額幅も少ないことを覚えておきましょう。

構造・用途法定耐用年数償却率(定額法)
木骨モルタルの住宅20年0.05
金属造3mm以下の住宅19年0.053
木造・合成樹脂造の住宅22年0.046
金属造3~4mm以下の住宅27年0.038
金属造4mm超の住宅34年0.03
鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅47年0.022
給排水・ガス・照明設備15年0.067
個別冷・暖房機器6年0.167

参考:国税庁

重量鉄骨の特徴は?

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重量鉄骨とは、鉄骨造の建物の中でも躯体に使用される鉄骨が6mm以上のものを指します。鉄骨に厚みがある分、少ない柱で建物を支えることができ、間取りの自由度は随一です。

反面、大量生産には不向きな為、建築費が高くなるというデメリットがあります。

主な用途は、大型マンションやビルの建築など。大規模な建物あるいは高層建築物の多くは、重量鉄骨の建物です。

その多くは長期に渡って使用することを目的としており、躯体の強さを活かすことによりホテルのエントランスや大型商業施設などに見る大空間や吹き抜け等、個性的な空間を作り出すことが可能です。

反面、建築コストがかさむ為、特段の事情がない限りは戸建ての住宅に採用されない造りと言えます。

軽量鉄骨の特徴は?

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軽量鉄骨とは、鉄骨造の建物の中でも躯体に使用される鉄骨が6mm未満のものを指します。

同じ鉄骨造でも、工場による大量生産に適しており、重量鉄骨よりも価格が抑えられることから、戸建て住宅やアパートの工法として使用されます。

木造と比較すると、躯体が金属であることにより品質の安定化を図ることができ、経年変化が少ないという特性により、永きに渡って住み続けることが期待できます。

ただし、軽量鉄骨を扱うのは大手ハウスメーカーがほとんどである為、施工会社の選択肢は木造よりも大幅に狭まります。

また、3階建以上の高層建物になると建築コストが上がってしまいますので、その場合は重量鉄骨をおすすめします。

まとめ

同じ鉄骨造でありながら、実は全く異なる「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」。多くは建物の規模により使い分けがされますが、アパートや賃貸併用住宅等、建物の規模が中程度になる場合はいずれかの選択を迫られます。

おそらく決め手となるのは、「階数」「間取り」「価格」等でしょうか。建物が3階以上になれば、おのずと重量鉄骨になります。

2階建てまでの建物で間取りに満足出来れば、軽量鉄骨でも良いでしょう。そして最終的には見積もりを比較して、性能と価格に納得できる選択を迫られることと思われます。

選択肢に「軽量鉄骨」が含まれる場合は、「木造」の選択肢も消えてはいません。しかし、「軽量鉄骨」と「木造」では、性能も価格も大きく異なります。

建て主が個人であっても企業であっても、多額の財産をつぎ込むのですから、価格と性能が見合った建物でなければいけません。

「木造」にはしたくないけれど「重量鉄骨」にするほどの規模ではない、といった場合に活躍するのが「軽量鉄骨」です。

木造よりも永く住み続けることができ、かつ重量鉄骨よりも価格や工期を抑えることができるという、おいしいとこどりが好きな日本人にぴったりの構造です。

一方、重量鉄骨の剛性や間取りの自由度は、他には代えがたいものです。鉄骨造を選択する人の多くは、永きに渡って使用することを重視します。

それぞれの特性を踏まえた上で、どのような選択をするのかはその人次第。多岐にわたる選択肢の中、心ゆくまで検討なさった上での決断をおすすめします。

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