住宅リフォームに関わる工事業者は近年多様化しています。工務店や大手ハウスメーカーなど、住宅関連企業のほぼすべてがリフォーム市場に参入していますし、ホームセンターや家電量販店をはじめ小売業やエネルギーインフラ企業を中心として異業種からの参入も進んでいます。
リフォーム市場のシェアでは地域工務店や、住宅設備や建材メーカーのリフォーム加盟店が大きく占めていますが、ハウスメーカーも新築のみならずリフォーム市場に注力しつつあります。
新築が年々減少していると言われている昨今、中古住宅を購入しリフォームやリノベーションをして住まうという若い世代も増えてきました。
そういった意味でも、リフォームというのは今後ますます重要が増えていくと思われ、施主側は依頼先の選択肢が増えることになるでしょう。
ここでは、ハウスメーカーでリフォームを依頼するメリット、デメリットを知るとともに、他の業者の特徴などを紹介しています。
ハウスメーカーでリフォームをするメリット
ハウスメーカーとは、全国に営業所展開をしている積水ハウスや大和ハウス、住友林業などの大手の住宅会社のことをさしています。住宅展示場にモデルハウスを建てている業者はおおよそハウスメーカーと言えるでしょう。
ハウスメーカーでのリフォームはひと昔前まではあまり見かけませんでした。大規模なリフォームは別として小規模なリフォームを受注しても手間がかかるだけで、会社としての売り上げメリットが感じられないため、ハウスメーカー側も積極的にリフォームの仕事を取りに行かなかったのです。
しかし、新築の需要が伸び悩み、リフォーム市場が拡大しつつある世の流れのため、最近ではリフォームに力を入れているハウスメーカーも増えています。そんな大規模展開をしているハウスメーカーでリフォームを依頼するとどんなメリットがあるのでしょうか。
安心感が得られる
大手ハウスメーカーは規模が大きい会社のため、会社運営に関して経営の安定や組織化がしっかりしています。ですから、リフォーム工事後に会社が倒産してしまってアフターメンテナンスをしてもらえないということには成りにくいのが特徴です。
また、ハウスメーカーでは、契約前から工事後までの流れがシステム化されており、スムーズで工事期間も比較的短く終わることができます。そして豊富な実績、下請け職人の数、保証の制度なども充実しているため安心して工事を任せることができます。
保証の延長がある
ハウスメーカーで家を建てた場合無償で平均10年間の保証というのがついてきます。10年間は保証の範囲であれば無償で修理、修繕をしてくれるというものです。
ハウスメーカーによっては同社でリフォームを行えば、無償で延長保証をしてくれる場合があります。
家をとにかく長持ちさせたい場合は定期的なメンテナンスが必要不可欠ですので、保証を利用しながらメンテナンスをすることも1つの方法です。
施工の失敗が少ない
ハウスメーカーでリフォームをする場合、建築した会社であれば構造的なことをよく理解しています。
構造を理解していることは、リフォームをする際の強みになりますし、ハウスメーカーはすべてがシステム化しているため工事の流れも非常にスムーズです。
一枚の下地ボードにビスは何本打つなど、施工の規定も厳しく設定している場合があるため、のちのちクレームになるような適当な工事は行いません。職人の技量もチェックされているため完成度に不安はないでしょう。
完成が早い
ハウスメーカーで使用する建材や設備は、独自のラインを持っている場合があります。例えばパナソニックのキッチンでもハウスメーカー仕様という別ラインで作っているため、生産が安定しているのです。
また、施工マニュアルもシステム化していますので、ハウスメーカーでのリフォームは他に比べて工期も短くなる傾向があります。
ハウスメーカーでリフォームするデメリット
ハウスメーカーでのリフォームには魅力的なメリットがある半面、デメリットもあることも知っておくことが大切です。
価格が高い
ハウスメーカーでのリフォームは相対的に価格が高いです。ブランド料や宣伝広告費なども経費に加算されるためどうしても総額は高くなります。
ハウスメーカーに依頼をしても結局施工をするのは地場の職人で工務店に依頼をしても同等の職人ですから、飛びぬけて腕のいい職人が作業をするというわけではありません。コストをなるべく抑えたいのであればハウスメーカーに依頼をするのは避けた方が良いでしょう。
しかし、他の工務店などの業者にリフォームを依頼してしまうと、保証が切れる場合がありますので注意が必要です。
プランニングが規格化されている
新築時もそうですが、ハウスメーカーのプランニングは規格化されていることが多く、自由設計というわけにはいきません。
リフォームでは特にプランに制限があると施主の希望通りにいかない場合があります。ハウスメーカーのリフォームも規格化されていることが多いため、自由にプランをしてもらうには不向きかもしれません。
またすべてにおいて効率化をしているため、打ち合わせに割く時間も少なく、思い通りのリフォームにならなかったというケースもあります。
リフォームは今の不満や不便さを解消できることが大前提だと思いますので、工事をしても不満が残るようなことは避けたいものです。
営業マンの当たり外れ
ハウスメーカーでもリフォーム部門をきっちり設立している場合は良いのですが、そうでない場合担当の営業マンによってはリフォームのことに詳しくなく、良い提案やアドバイスを貰えない場合があります。
リフォームは新築時と違い住みながらの工事なうえ、場所によっては出来るかどうかの判断など専門的知識を要することが多いですが、知識不足の営業マンに当たってしまうと、せっかく高いお金を払っても納得のいくリフォームにならないということになり兼ねません。担当者とは意思疎通や信頼関係を作り、こちらの意向を汲み取ってもらえることが大切です。
リフォームはどこに依頼すると良い?
ハウスメーカー以外のリフォーム業者はどのようなところがあるでしょうか。それぞれの特徴やメリット、デメリットを知っておきましょう。
工務店
キッチンやお風呂、トイレなどの設備機器の入れ替えを伴うリフォームや外壁塗装など経年劣化によるリフォームは一般的に工務店に依頼をする人が圧倒的に多いです。
メリット
工務店というのは新築やリフォームを請け負っている地場の会社で、規模はさまざまです。工務店にリフォームを依頼するメリットは、価格がハウスメーカーよりも安く、規格等の成約もないため自由に設計やプランニングができます。
また使用する建材も指定のものという縛りがありませんので、無垢材なども含め幅広く選択することができます。
デメリット
反対にデメリットは、デザイン力や提案力は抜群というわけではないので、特殊なデザインを好む場合は不向きかもしれません。
また、施工例が少なかったり、モデルケースなど実物をみることがしにくいため、完成後のイメージがつきにくい場合があります。
小規模な工務店の場合は親身になって対応してくれるかもしれませんが、保証などの部分には不安要素が残るケースもあります。
ある程度、自分の中でリフォームの希望が固まっていたり、プランづくりを工務店側と一緒にできる人はリフォームを依頼する業者としては最適かもしれませんが、イメージを膨らませるのが苦手な人や自分がどうしたいかなど確立していない人には、頼りなく感じるかもしれません。
まとめると
デザイン力など問わない外壁塗装の工事や機器の入れ替えのみのリフォームなどは、どのようなタイプの人にでも工務店でのリフォームはおすすめです。工事内容によって使い分けるという方法も良いのではないでしょうか。
ホームセンター、家電量販店など
ホームセンターや家電量販店にリフォーム工事を依頼する場合は、専門的知識は期待できません。
とにかく安くなんでもいいから新しく、キレイにしたいという方には向いていると言えますが、ホームセンターなどはアフターメンテナンスもありませんし、その場限りというイメージで依頼をすることが重要です。
しかし、中にはリフォーム業者と組んで店内にリフォーム相談エリアを設けているような家電量販店があります。
そういったところは、ある程度のリフォーム知識を持った業者になりますので、簡単な工事であれば依頼をしてみてもいいかもしれません。
しかし、商品代は安くても工事費が高くなる場合がありますので、工務店などと相見積りをとり比較をするようにしましょう。
専門業者
リフォームの専門業者には住宅設備メーカーの加盟店や、リフォーム専門店などさまざまな場合があります。
メリット
メーカーのリフォーム加盟店は、パナソニックリフォームやリクシルのリフォームなどがありこれらの業者はメーカーと連携しながら運営をしていますので、アフター修理の対応や情報の共有などメリットがあります。
また、メーカーからの助成などもありますので、展示会などのイベントやキャンペーンなども充実しているため、リフォームの相談をするには実はとても最適なのです。
デメリット
しかしまだまだ認知度が高くないので、どこに頼めばいいか解らない人は安売りチラシや認知度のある地場の工務店に依頼をしてしまいます。
まとめると
リフォームというのはさまざまなパターンがあり、建物の構造によっても方法が異なります。どのようなことにも一番対応力があるのはリフォームを専門としている業者と言えます。
まとめ
リフォームには耐震や省エネリフォーム、大規模改修やリノベーション、エネルギーに特化したスマートリフォームなど様々な分野があります。
どのようなリフォームをするかによって安心して任せられる業者を選ぶかが重要です。相見積りを取り、しっかり内容を精査したうえで検討をすることが大切なのではないでしょうか。
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