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限界集落が抱える問題と対策。再生事業がもたらす恩恵

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過疎化は何も、今に始まった問題ではないのは皆様ご周知のところであると思います。その中で少子高齢化、都市一極集中型の生活スタイルを選択する勤労世代が増加する中で、現実的に消滅の危機に瀕している集落を限界集落と言います。

将来を悲観し問題を提起していた過疎化の時代を経て、現実に具体的な問題が生じる限界集落、ひいては限界自治体の時代が遂にやってきたのです。これらはやがて時を経て、その地に残った高齢者の死亡に伴い消滅集落、消滅自治体とその末路が決定してしまいます。

この狭い日本の国土の中で、有効面積に数えられる地域、集落が消滅してしまう事はもちろん、農林水産業など地方産業の衰退を招くことは当然の如く我が国の国益にかかる問題であります。

事態を重く見た国、地方自治体は国策としてこういった集落、自治体に対し地方創生を銘打って様々な支援策を大々的に実行しています。

また、支援策に基づき地方自治体が展開する活動の中で、特にスポットが当たっている産業を有する集落の中には大きな可能性を秘めているものもあり、その誘致に積極的に応じ移住者も年々増加しています。

現在限界集落の再生は新たな局面を迎え、そのビジネスチャンスに注目している個人や企業も多数見受けられるようになりました。

本コラムではそのような限界集落について、その衰退の理由や再生に対する施策、そして存続のピンチをチャンスに変え日々奮闘する自治体や移住者の取組みを見ながら説明をしていきたいと思います。

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なぜ限界集落が生まれるのか

過疎化とは、従来その土地に根付いていた基幹産業が後継者不足や資源の枯渇などの理由で衰退し、人口が減少していく状態のことを指します。

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参考:環境白書

加えて1995年ごろから、少子高齢化が進行すると同時に勤務先や学校へのアクセスに優る都市部の住居整備が急速に発達し、その深刻度が右肩上がりに増しました。勤労世代の国民の生活環境ニーズ変化に伴い過疎化の問題が深刻化しているのです。

そのため集落には勤労世代の世帯がなく、病身の人を含む高齢者しか存在しなくなっていく、この状態にある集落を定義する言葉が、限界集落です。

限界集落が自治体や近隣住民にもたらす影響

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次に限界集落が具体的にどのように問題になるかを考えてみましょう。

産業の衰退により、その地域に仕事がなくなってしまいます。勤労世代の人は仕事をしないと食べていけないので仕事を求めてその地域を出て、仕事のある場所へと行きます。

ここで自治体は、その管轄内での基幹産業を失い、同時に納税世帯を失うことになります。税収が無くなってしまうのです。税収が無くなってしまうと行政サービスを縮小せざるを得ません。照明柱の電球を変えるのも学校や公民館を運営するのも出来なくなってしまいます。

新しい土地での新しい生活に馴染めないと考えるお年寄りはその集落に残ることになります。ところが自治体にはその人たちに対する行政サービスが満足に運営できなくなります。結果、極端に言えば片道何時間もかかって病院に行き、暗い夜道を歩いて家に帰る様な生活を強いられることにもなりかねないのです。

細々でも生活に足りる仕事がある勤労世帯においては、買い物や通学なども至難の業になり、そこに住んでいることに極端な不便を感じることになるでしょう。

また、行政体内に存在する集落の多くが限界集落になった結果、その地域を管轄する地方自治体の財政を圧迫して、財政的に破たんする恐れのある自治体が出現することも指摘されています。

限界集落問題にかかる国や地方自治体の施策

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2014年9月3日、第2次安倍内閣の発足時、記者会見で発表されたローカル・アベノミクスにより、地方創生はその幕開けを迎えました。

例えば従来では出来なかった農地のNPO法人や一般企業の施設に転用できるようになり、基幹産業の再生や雇用の創出、インフラ整備に伴う各種補助金制度が生まれました。また、寄付の最大6割が減税対象になる、企業版ふるさと納税と言う制度も出来ました。

このように、地方の創生に企業や個人の目を向ける魅力的な補助金制度や規制緩和が一気に施行されました

それに伴い自治体も国からの交付金事業も含め、多種多様な誘致案を持って移住者の獲得に積極的な事業展開、補助制度の創出を行っています。

地方創生、UJIターンはこの不景気に活況を呈する一大産業に

魅力的な政策や積極的な誘致活動の結果は、全国各地で現実的に新たなビジネスを生み出しています。ここで地方創生事業の実例をいくつか紹介してみましょう。

移住者誘致イベントの例

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参考:全国の島々が集まる祭典 アイランダー2016

国土交通省・公益財団法人 日本離島センターが毎年東京で開催している、アイランダーと言うイベントがあります。

全国の離島から移住の受付窓口をしている相談員(島活相談員と言います)が、それぞれの島の魅力や移住者受け入れの体制などを説明し、各々の島の魅力を移住希望者に伝えるというもの。2日間のイベントで例年1万人を超える動員数を誇るそうです。

移住者による新規営農、ビジネス展開の例

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参考:KASAHARA HONEY

山口県の東部に位置する周防大島町にIターン者として移住し、この地で養蜂業を営みながら、この度第6次産業化の支援制度を利用し自身が生産している蜂蜜の販売並びに蜂蜜を使った軽食、喫茶を提供するカフェをオープンしました。

周防大島町には他にも、都市部で生活していた生産世代の青年が夫婦で移住し農水産業の分野で研修を受けてから就農就漁したのち第6次産業を目指すケースが多数あります。

まとめ

都市一極集中化により、業務の中枢はおろか、それに合わせ生活の場まで都市部に移行し、団塊世代のリタイヤ、少子高齢化によりただでさえ少ない勤労人口が都市に吸収され、限界集落の問題は発生しました。

反対にそうして問題視されたことにより衰退した集落に多くの人の目が向き、都市での生活を捨ててまで憧れる程にその生活に魅力を感じ移住を決めた若い世代の人たちが、めいめいのセンスで楽しみながらビジネスを創出し、長い勤労世代を終え未だ意欲あふれるセカンドライフを望む団塊世代の方々の新たな活躍の場として、限界集落はその姿を変え、再生の途を歩んでいます。

このコラムを一読され、一人でも多くの皆様が問題について意識をし、その中に新たな光を見出し地方創生に興味を持つきっかけを作ることが出来ましたら、筆者として幸いです。

 

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