ローコスト住宅は、料金が安い分欠陥住宅に引っかかりやすいのではないかという誤解があります。
ですが実際にはそういうわけではなく、部品の生産や工事の工程を見直すことで費用を抑えて建てられた住宅のことです。
ですから、ローコスト住宅だからと言って、建物としてのクオリティーに問題があるわけではありません。
ただ、購入した後に失敗してしまった例というのは確かにありますので、今回はローコスト住宅の失敗例を知っていただき、後悔しないマイホーム建築にお役立ていただければと思います。
ローコスト住宅によくある10の失敗例!
ここでは、ローコスト住宅を購入した後に気が付く、よくある失敗事例を10件まとめてみました。
失敗例を参考に、ローコスト住宅購入前の見るべきポイントとして活用してもらえれば幸いです。
寒い(断熱性能が悪い)
住宅としてのクオリティが低い欠陥住宅を掴んでしまうと、建物の気密性に問題が生じることが多いです。
気密性が悪いと当然断熱性能は著しく下がりますので、空調のコントロールが効きにくくなります。冬は寒く夏は暑いといった状況になるわけです。
また、湿度の高い季節になると、建物に水分が侵入し経年劣化を著しく早めてしまうことにもなってしまいます。
そういった物件を選ばないためには、断熱に対してどういう処理を行っているかを詳しく調べてから、メーカーを選びましょう。
材料の質が悪い
材料の質が悪いと、建物の経年劣化が早くなります。
例えば短期間で外壁にヒビが生じたり、内装の建具の建付けが悪くなったりと様々な不具合が生じる恐れがあるのです。
特に外壁が劣化すると建物に水分の侵入を許してしまいますので、注意が必要です。
材料の質だけではなく、シーリング処理(外壁のつなぎ目を埋める処理)のような防水処理が甘い工事でよく見られる欠陥です。
住宅を決めるときはどのような材料を使っているか?または、工事業者の実績などをよく調べてから契約をした方がいいでしょう。
設備が悪い(グレードが低い)
必要なところの予算を削ってしまうと、設備のグレードに不満が生じてしまいます。
ある程度の妥協は必要ですが、ここは譲れないというところにはお金をかけた方がいいでしょう。
打ち合わせの担当スタッフとよく相談をして、あちらの意見も十分に参考にしたほうがいいです。
また担当者との相性も、ローコスト住宅を購入する際の大事な要素の一つです。担当者が、親身になって話を聞いてくれるか?
「これには費用を掛けた方がいい」といった意見を、はっきり言ってくれるか?など、プランを最善の方向に導いてくれるのは担当者の存在です。
自由度が低い、使いにくい
住宅というのは実際に住んでみて初めてわかることもあります。
例えば間取りが微妙であったり、実際に住んでみると使いづらい動線であったりと、こういうことは後になって分かってしまうことがあるでしょう。
それを防ぐにはやはり打ち合わせの段階でしっかりと、担当のスタッフの意見を聞くことと、ローコスト住宅の購入を考えているメーカーのモデルルーム見学に積極的に足を運ぶことが肝心です。
実際の住宅を見学すると、リアルな雰囲気を把握することができますので、購入前には必ず見学に行くようにしましょう。
オプションにすると結果高い
住宅の基本プランは安くても、オプションをどんどん足していくと、費用が高くなってしまうということはよくあることです。
しかもそのオプションが、必要不可欠なものであったりするので、結局追加していかないといけなくなるように誘導されているケースもあるでしょう。
予算以上の金額で契約をしないためには、最初にこちらから予算を提示しておくことが肝心です。
また打ち合わせの段階で、住宅の費用を削っていく時は、どうしても必要なものは残しておき、無くても大丈夫なものは削っていくようにして調整していくのが理想です。
職人(大工)さんの質が悪い
住んでみた住宅の仕上がりが悪い、または建て付けが悪いといった不具合は、現場の作業員の質に問題があったのかもしれません。
最近では、メーカーが企画から工事までを一貫して請け負う方式を採用している企業も多いです。
施工する職人の育成に力を入れていて品質が基準を満たした均一なものに仕上がるよう徹底しているところにお願いした方が安心できるでしょう。
工事が雑、問題が出る
建付けが悪かったリ、外壁のヒビ、家自体が傾いているような欠陥住宅を掴まされてしまうケースも注意しなければなりません。
工事が雑だと、手抜き工事のような仕上がりの住宅にななってしまいます。
特に外壁のヒビや建物の傾きは、建物の耐久性に影響が出てしまい安全に関わる問題ですので、住宅を注文する際にはそうならないような業者を選ぶ必要があります。
下請けの施工会社に質の悪い業者が入ってしまうと、このような事態になってしまいます。
企画から工事までを一貫して行うメーカーに依頼をするか、地元で評判の良い工務店を紹介してもらうかなど、事前に業者選びを慎重に行わなければなりません。
アフターフォローやメンテナンス、保証面が弱い
例えば、購入してから短期間で外壁にヒビが生じたり、雨漏り、扉の建て付けが悪くなるなどの不具合が生じるようなケースに遭遇したら大変です。
こういう不具合が生じた時には、補償関係がしっかりしているところで住宅を購入しておくと安心できます。
例えば瑕疵担保保証は、住宅を購入する際になくてはならない保証だと思います。
瑕疵担保というのは、住宅に何かしらの不具合が生じた場合、それを弁済してもらえる保証の事を言います。
契約をする前にまず、この保証があるかどうか?もしくは、それに代わる何かしらのメンテナンス保証があるかどうかを、しっかりとチェックしておきましょう。
デザインがダサい、安っぽい
いざ住宅が出来上がるとイメージと違う仕上がりになってしまうようなケースです。
価格重視で建築プランを決めると、思った以上に安っぽい仕上がりになってしまうことがあります。
一生の買い物ですので、住宅の安全性能はもちろんのこと、やはり外観や内装の美しさもある程度は確保したいところです。
また、メーカーが推しているデザインが、実際に見ると思いのほか安っぽかったというようなケースも考えられます。
契約前にモデルルームなどの見学をしておけば、実際に住宅が建った時のリアルなイメージを描きやすいです。
家の寿命が短い
すきま風が吹いたり雨漏りがするような、不具合が生じるようなケースです。こういった気密性に問題がある不具合は、建物自体の寿命を短くしてしまいます。
また気密性が悪いと、空調による温度コントロールが難しくなりますので、電気代が掛かってしまうというデメリットも生じてしまいます。
家を選ぶときに重要なポイントとして耐久性、耐候性、耐火性、耐震性、防水性という5つのポイントだけは、絶対に妥協してはいけません。
ローコスト住宅の後悔まとめ
ここでは、ローコスト住宅を購入する際の後悔しやすいポイントをまとめてみました。
メーカーや工務店選びから予算配分まで、住宅を購入する時には、非常に頭を悩ますことが多いかと思われますが、出来る限り後悔のないよう、業者の担当者と入念な打ち合わせをするよう心掛けましょう。
メーカー・工務店選びを間違えた…
メーカーや工務店選びは、ローコスト住宅の購入で失敗しないための最も重要なポイントの一つです。
担当者との相性もありますし、メーカーや工務店が提案する住宅プランが確かなものかどうかも見るべきポイントです。
特に、工事業者を下請けに回す形の業者を選ぶ時は、そこで住宅を建てた人から、そこの家のクオリティーについて、可能な限り話を聞いた方がいいです。
できるだけ企画から施工までを一貫して管理している業者を選んだ方が、何かあった時にもクレームを言いやすいので安心して任せられます。
打ち合わせの時に妥協してしまった…
打ち合わせの時に遠慮をしてしまう人も中にはいます。
一生に一度の買い物だと言っても過言ではない金額の物を買うわけですから、打ち合わせでは自分の希望を担当のスタッフに、こと細かく伝えるようにしましょう。
その時の担当のスタッフの態度があまり好きになれない場合は、そことは契約しない方がいいです。
結果的に必要な予算まで削ってしまった…
費用を抑えるために、あった方がいい設備まで削ってしまうのは、住宅が建った後に、後悔する原因になってしまいます。
後から別に設置するようになってしまうと、余計に費用がかかってしまいますので、例えばシステムキッチンなど、絶対に自分や家族にとって必要だと感じる設備に関しては、妥協せずにプランに盛り込んでもらった方がいいでしょう。
全てのローコスト住宅が悪いわけじゃない!
そもそも誤解しないようにしたいことは、ローコスト住宅=欠陥住宅ではないということです。
ローコスト住宅は、プレカット工法の導入や企画から施工までの一元化によって、コストを圧縮することによって、住宅の単価が下げられたものですので、決して資材を劣悪なものに変えたり部品を少なくしたりして、手抜き工事で建てられたものではありません。
手抜き工事や質の悪い住宅に当たらないためにも、ハウスメーカーや工務店選びは重要なポイントです。
インターネットを使って情報収集したり、モデルルームの見学に積極的に参加したり、可能であれば実際にその業者に家を建ててもらった人から話を聞くなどして、十分慎重に行わなければなりません。
またメンテナンス保証や瑕疵担保保証に関しても、必ず付いているかどうかを確認しておくべきです。
10年、20年後に後悔しないローコスト住宅の家づくり
マイホームは10年、20年、30年と一生そこで暮らす建物となります。ですから、購入する前は特に絶対妥協してはいけません。
ここでは、失敗しないローコスト住宅購入のための、 チェックポイントをまとめました。
メーカーの特徴をよく調べておくこと
ハウスメーカーや工務店によって提案する住宅のデザインや、機能性が違いますので、複数の業者をピックアップして入念に調べておくことが肝心です。
一つの業者だけに絞って相談をすると、本当に欲しい住宅かどうかが分からなくなってきますので、業者に相談する時も複数の業者に、見積もりを出してもらった方がいいでしょう。
モデルルーム見学を欠かせないこと
打ち合わせの時には、住宅の仕上がりイメージとして3Dで描いた映像見せてくれるかと思いますが、リアルにそのメーカーの住宅の質や、自分にとって好みかどうかをを調べるには、モデルルームの見学をするのが一番です。
モデルルーム見学は、ほとんどのメーカーが行っていますので、積極的に色々なメーカーの見学に申し込んで参加をしてみましょう。
複数のメーカーに相談をすること
住宅の相談は一つのメーカーに絞る必要はありません。
これは車を買う時も同じなのですが、他社でも見積もりを出してもらう方が価格交渉もしやすくなります。
ひとつのメーカーに絞って相談をしていると、そこで決めなくてはいけないという気になってしまいますが、そこは心を鬼にして一生の買い物だと考え色々な業者に相談したほうがいいでしょう。
企画から工事までを一元管理しているメーカーを選ぶ
できることなら住宅の設計・企画から工事までを一元管理している、大手メーカーを選んだ方が安心ができます。
その方がコストも安く、人がしっかりと管理されていて、品質が安定している可能性が高いです。
下請けに工事を発注するタイプの業者だと、 企画会社と工事会社の意思疎通ができていないところもありますので、注意が必要です。
小規模の工務店になると、そういうタイプの業者が多くなるかもしれません。もちろんきちんとしてるとこもたくさんありますので、一概には言えませんがよく評判を調べてから契約したほうがいいでしょう。
耐久性・安全性・快適性に着目して選ぶ
耐久性、安全性、快適性、この三つの要素は、安心して暮らす建物の基準として必要不可欠な要素です。
この部分でコストを削らずに、きちんと施工してくれる業者を選んだ方がいいです。
法的な基準を満たしていることはもちろんのこと、プラスアルファのクオリティがあるかどうかを、住宅購入相談の段階で調べておいた方がいいです。
まとめ
ローコスト住宅は、価格設定がお手頃のため、手が出しやすい商品ですが、高額な買い物には変わりありません。
一生に一度の買い物になる人もいるかと思われます。
失敗しないためには、ローコスト住宅購入の相談や申し込みをしようと考えている業者をリサーチして情報を集めましょう。
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