空き地と更地の違いをわかりやすく解説!価値が高いのはどっち?

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”空き地”と”更地”。ビジュアル的にはだいたい同じ、建物の建っていない土地のことを指します。見た目には同じなのになぜ違う呼び方があるのか、気になっている人が多くいらっしゃるようですね。

不動産の世界には違った言葉や表現を使用していても結局は同じもののことを指すという言葉が多く存在します。

例えば今巷で流行っている「ホームインスペクション」は、住宅の点検のことを指します。じゃあ「住宅点検」っていう方がわかりやすいじゃないかと思う人はたくさんいることでしょう。

同じく不動産用語では、価格という表現と価額という表現が混在することもありますが、これも意味として指しているものは同じです。

こういう細かい表現の違いが不動産を面倒なものに感じる一つの原因なのでしょうが関係する法律を丸暗記して仕事しているような人もいるのでなかなかわかりやすい表現に努めることは難しいのかもしれません。

そしてこれらの”どちらでもいい違う単語”とは違い、”空き地”と”更地”にはれっきとした意味の違いがあり、決して同じ土地のことを指す言葉ではないのです。

本当にややこしい不動産の世界ですが、本項ではこの”空き地”と”更地”の違いについて、詳しく説明したいと思います。

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空き地とは

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まず最初に、空き地とは何か説明をします。

空き地とは、そのものずばり「空いている土地」のことを言います。例えば端っこの方に小さな仮設ハウスが置かれていたり、土管や鉄骨などの建設資材が置かれていたり、廃車や廃棄物が渦高く積まれていたり何にもなかったりと、パターンはいろいろあるかと思います。

全体的に使用感のない、もしくは現状で活用されている風ではない土地のことを一般的に「空き地」と呼びます。つまりは見た目の呼び方でしかないということです。

何が言いたいかというと、不動産には必ず権利がついています。所有権に始まり、所有権以外の権利。抵当権・地上権・借地権・信託受益権等、土地の見た目には映らない大事な事項として、その権利関係というものがあります。「空き地」という言葉にはこの権利関係について何も定義するものがありません。

また、その土地の地目等も「空き地」という言葉の中には含まれていません。同じ見た目の空き地にも、宅地としてライフラインが造成されているものもあれば、もともと畑や雑木林であったものを整地しただけのものもあり、そのいずれも建物がなければ同じ「空き地」です。

更地とは

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筆者は関西の出身なのですが、関西で新品の物を指す「サラ」という言葉があります。サラの鉛筆、サラの自転車、サラの腕時計、サラのジーパンなど。

関東に初めて出た時に雑踏で新品の靴を踏まれたという話をしているときに「サラの靴」という言葉が通じなかったことで初めてこれが方言であることを知りました。

「更地」の「更」は、この「サラ」と同じ意味を持ちます。「更地」を辞書で調べてみると、「更地」という表記の隣に、「新地」という表記があります。こう書いても「さらち」と読むようですね。

つまり更地とは、だれの手にもかかっていない新しい土地で、購入した所有者はすぐにでもその土地に自由に建物を建てることができるという土地のことを指します。

自由に建物を建てることが出来るという大前提から、更地は宅地又は工業用地として造成された現状建物や工作物のない土地でないといけないという定義が暗黙のうちに成り立っています。

建築基準法・都市計画法による建築制限は「更地」の概念に影響しません。またローンで土地を購入する場合の抵当権も同様です。要は土地を購入した人がすぐ自由に建物を建築することができる土地のことを、更地と言います。

更地は空き地より価値が高い

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地面の下の状態やその権利関係などがすべて無視されて、その物の見た目しか表現していない「空き地」には、もしかしたら旧借地法に基づいた借地権がついているかもしれませんし、もしかすると市街化調整区域や景観保護区域内の空き地で、建物の建築が禁じられているかもしれません。

場合によっては地目が農地関連で、一般の人なら購入しても使い道のない土地で終わってしまうかもしれない。ただ見た目に使用感のない、もしくは活用度の薄い「空き地」は、うっかり買ってしまうことにより大損をしてしまう可能性があるという爆弾を抱えているかもしれません。

対して権利の関係がまっさらで、購入すれば即時に自分の建物を建てることが出来る。つまり宅地又は工業用地、商業用地として造成までされているという用途までしっかりしている「更地」は、その言葉の意味だけで土地の性質としては価値のあるものであるという定義が、ここで成り立っています。

更地は空き地よりも言葉だけでたくさんの定義を持っている、所有者の権利を妨げるものがなく住宅・商業・工業用地として使用できるという価値の高い土地を示す言葉なのです。

まとめ

本文を読んだ事で皆さんには、「空き地」と「更地」の違いが深く理解できたと思います。この二つの言葉は、結局どっちでもよい同義語ではなく、不動産の価値を示すうえでは全く違う言葉であることが十分伝わった事でしょう。

このように、結局同じ意味を指す違う言葉がある裏で、よく似ていて混同されがちでも実は全然意味の違う言葉もあるのです。だから不動産が面倒になるというのは筆者もそう思います。

しかし多岐にわたる関係法の微妙な表現の違いや、古くからの表現と比較的近代に整備された新しい表現などが混在する世界で、これらの時系列を充分理解し、さらに一般の方にわかりやすくかみ砕いて説明できる人材は業界においてもよほど優秀で、稀にしか存在しないと考えて頂いた方が良いかもしれません。

法に基づく仕事をしていると、その方の丸暗記をすることが手一杯で、同義語を整理したりわかりやすい表現に努めることがすごく困難に感じる人が多くいますし、関連をちゃんと理解して応用がきく人も正直少ないでしょう。

このようなコラムを活用して、お客様の立場になる人が理解を深めていただくことで、不動産の世界はもっとわかりやすく、単純になると筆者は常々感じています。