タイル張りの在来浴室は昔ながらの工法で、今でも使用しているご家庭は多いと思います。
タイル張りの浴室は目地にカビが生えたり、冬場は冷たく浴槽のお湯が冷めやすかったりヒートショック現象の恐れも否めません。
近年ではユニットバスへのリフォーム需要は多く高齢者の体の負担を考えれば、自治体も推奨しているほどです。
在来浴室からユニットバスへのリフォームで注意するべき点や費用相場を知っておきましょう。
在来浴室からユニットバスへリフォームにかかる費用は?
在来浴室からユニットバスにリフォームする場合の方法は大きくわけて2パターンあります。
既存の壁の内側にユニットバスを設置する方法:80万円~
ユニットバスというのは0.75坪、1坪、1.25坪、1.5坪など規格サイズが決まっています。
そのため既存の浴室の壁の内側に入る寸法の規格があれば、タイル壁を撤去しないで施工をすることができます。
既存の壁を撤去しないで施工ができれば今までより浴室の有効寸法は狭くなりますが、施工工程も大幅に省け、工事期間も短縮できます。
その場合の費用目安はユニットバスをどのようなグレードで選ぶかによりますが、例えば定価が100万円のユニットバスの場合、商品の値引きや工事費を含め80万円前後というのがトータル金額の目安です。
商品が60%OFFのシステムバスで配管の移設に6~8万円、床暖房や暖房換気乾燥機などの電気設備の配線に3~5万円、浴室扉まわりの内装材の補修に5~6万円が大まかな費用です。
今まで折れ戸や開き戸だった浴室扉を引き戸に変更する場合は洗面所と浴室の間の壁を撤去し、あらたに袖壁を作らなければなりませんので、大工工事に3~4万円ほど追加になります。
既存の壁を撤去してユニットバスを設置する方法:50万円~
前述した設置方法では今までの浴室よりどうしても部屋内が狭くなってしまいます。
それが嫌だったり壁を撤去しないと規格のサイズが入らない場合は既存の壁を取ってしまいます。その場合は壁の撤去、基礎の工事が追加されますので費用も工事期間も長くなります。
費用の目安は定価100万円のユニットバスを選んだ場合、トータルで100万円前後になるでしょう(製品の値引きを考慮すると)。
壁と床を撤去し土間を打ち直したりする工事に7万円~15万円ほどかかる場合があります。そして工事期間も3日ほど伸びると考えられます。
ユニットバス自体の費用は15万円ほどからありますので、選んだ商品が安ければトータル50万円もかからすリフォームをすることができます。
在来浴室からユニットバスへリフォームに必要な工事は?
在来浴室からユニットバスにリフォームする場合の工事内容を確認しましょう。
解体、撤去と床下補修
既存の壁や床を撤去し床下の状態によっては土間を補修したり、モルタルを打ち直したりします。
腐食が進んでいる場合は補修をきっちりしておかないとユニットバスが人と水の重さに耐えられなくなり傾いてしまったりする可能性があるので、土台の工事はぬかりなくしておく必要があります。
給排水、電気配線、ガス菅の工事
ユニットバスにリフォームするためには新しいものにあう給排水の移設や、床暖房や暖房換気乾燥機などの電気設備の配線やガス菅の仕込み工事をする必要があります。
ユニットバスを設置してしまってからでは出来ない工事ですので、必ず事前にしておく必要があります。
ユニットバスの設置工事
ユニットバスは壁になるパネル、床、天井を組み立てる施工方法です。まずは床を支える束材で高さを調節し壁を設置します。
その後浴槽を取りつけ洗い場になる床を設置します。配管の繋ぎこみや水栓金具の繋ぎこみなども行いパネル同士の取り合い部分はシリコン材で水が入らないように繋ぎます。
在来浴室からユニットバスへのリフォーム期間は?
在来浴室からユニットバスへのリフォーム期間は、6日程度で終わることがほとんどです。
在来浴室を撤去し、床下の補修や配管、配線の仕込みに2日、土間を打ち直したりする工事がなければ3日目にはユニットバスを設置することができ、ドアまわりの内装材を補修すれば早くて4日目の夜には入浴することができます。
基礎のコンクリートと打ち直す場合は、施工と乾燥に2日かかりますので、トータルで6日ほど工事期間をもうけます。
ユニットバスの施工はなるべく最短で行いたいところですが、少なくても3、4日は浴室が使えなくなるためその間の入浴をどうするか対応が必要になります。
在来浴室からユニットバスへリフォームする際の注意点
在来浴室をユニットバスにリフォームするのは1週間もあれば工事を終えることができます。
洗面台・洗濯機に注意
しかし、既存の浴室を広げたい場合洗面所の一部を浴室に取り込んで浴室側の広さを確保することがあります。このような場合、洗面台や洗濯機の配置には配慮が必要です。
洗面所を狭くしたくない場合は浴室部分を増築するという方法もあります。少しだけ増築するだけで一般的な1坪サイズの浴室が入るのであれば、増築費用は嵩みますが浴室を快適に使うためには利用できる手段です。
洗面所のリフォームを検討する
浴室のリフォームと同時に洗面所のリフォームも検討をしてみましょう。浴室をリフォームする際、浴室扉のまわりの壁を補修することがあります。
その時洗面所の壁紙や床のクッションフロアも同時に施工したり、洗面台を新しくすることも行っておけば別々にするよりも施工費を抑えることができます。
洗面所の壁紙や床材のリフォームは洗面台をいったん取り外して施工をしますので、取り外しや復旧にも職人の手間代がかかるため洗面台も古くなっているのであれば同時に工事をしておく方が、2重に手間代がかからなくて済むのです。
在来浴室との違いやユニットバスへ変えるメリット
在来浴室とユニットバスではどのような違いがあるのでしょうか。
在来浴室とユニットバスの違い
在来浴室はデザインも仕様も自由に設計でき、浴室のサイズも好きな広さにすることができます。
お手入れの負担度
しかしユニットバスの壁や床とは違い、タイルや木材なりますのでカビが生えやすくメンテナンスに手間がかかります。
その点ユニットバスのパネル材は掃除がしやすくカビも生えにくいです。床材や浴槽も技術が進み石鹸カスなどの汚れが付きにくい素材でのバリエーションもあります。
体感温度が異なる
また体感温度にも大きな差があります。在来浴室と違いユニットバスは暖房を入れていなくても寒く感じることが少なくなります。
タイルは水滴がついていなくてもひやっと感じることがありますが、ユニットバスの床材では冷たさは感じにくくなっています。
ヒートショック対策
高齢者の死亡例で多いのが入浴時のヒートショック現象です。ヒートショック現象は温度差で起こると言われていますので、寒い時期に服を脱いで寒い浴室に入ることの温度差から発生すると考えられています。
洗面所と浴室内の温度差を少なくすればヒートショックになるリスクも減少しますので、ユニットバスは高齢者にとっても最適です。
ユニットバスのメリット
上記でも述べているようにユニットバスは掃除がしやすく、寒さ対策にもなるため快適で便利に浴室を維持することができます。
また在来浴室にリフォームするよりも予算が抑えられ、工事期間も短くてすみます。バリエーションも豊富なため手軽にメーカーのショウルームで実物を確認し選ぶこともできます。
壁や床に断熱材を入れることもできますので、浴槽のお湯も冷めにくくなり、追いだきをすることも減り光熱費の削減にも繋がります。
まとめ
在来浴室には在来の良さがありますが、掃除やお手入れ、体への負担を考えるとユニットバスはとても魅力的です。
安く抑えたければシンプルなタイプを選べばいいですし、高級感を求めていれば、壁や浴槽の種類、照明などにこだわって高級感を演出することも可能です。
手軽で便利なユニットバスは今後ますます普及していくことは間違いないでしょう。