近隣や道路から家の中や庭が見えなくするために目隠しフェンスを立てることがあります。
本来なら外構工事を請け負っているエクステリア業者や工務店に依頼をするものですが、実はDIYで作っている人が結構います。
業者に依頼をすると早くてキレイに仕上がりますが、外構工事は意外と費用がかかるものです。
DIYで作れば材料費だけで済みますので、費用は半分以下になるでしょう。そこで、DIYでの目隠しフェンスの作り方や価格についてご紹介していきます。
素人が可能な目隠しフェンスを作る方法
外構のプロではない素人が目隠しフェンスを作ると言ってもどのような方法で作ることができるでしょうか。いくつかのパターンをあげてみましょう。
既存のフェンスにラティスをつける
既存の状態でメッシュフェンスなどの目隠しにはならないけど、フェンスが付いている状態であれば、ラティスを買ってきてそのフェンスに取り付ける方法があります。
この場合手のかかる基礎や柱の施工がいらないのでビスやラティス用の固定金具を使って既存のフェンスに取り付けます。
手間もさほどかからず、費用もラティス分のみとなるので一番安価に済むかも知れません。
ラティスの材料を使って柱から立てる
既存の状態が土やコンクリートの地面、またはブロックだけがある場合、簡易的にラティスの部材だけを使って立てることができます。
柱や地面と固定する金物や杭など柱を立てる場所の相手になる材料を選び、柱を立てます。そして柱とフェンスになるラティスを固定していくだけです。
例えば幅180㎝、高さ150㎝の目隠しフェンスをラティスで作る場合、幅90㎝、高さ150㎝の既製のラティスを2枚使い、柱を3本立て、固定をするだけです。
おおよその材料費は2万円くらいです。業者に依頼をして、木製フェンスを立てるとしても材料費と工事費で10万円くらいはかかります。
DIYで作れば人件費は削減できるうえ、ホームセンターなどで材料を揃えることができますので、かなり費用をおさえることができます。
しかしラティスの部材だけでフェンスを作る場合、強度はさほど強くなく、またラティス本体も雨風による劣化は免れませんので短いスパンでの塗装などのメンテナンスが必要になります。
基礎から作る目隠しフェンス
一般的にフェンスには倒れてこないように基礎が必要です。簡易的なラティスの場合は基礎なしでも可能ですが、高さが高かかったり風のあたりがきつい場所などでは倒れる可能性もあるので長持ちは期待できません。
通常フェンスを立てる場合はコンクリートブロックで土台をし、柱と基礎はモルタルで固定をします。
またブロック塀をある程度の高さまで作りそのうえにフェンスを立てると言う方法もあります。
この場合基礎の部分から自分で作らなればなりませんので、ブロックを数段積むよりもコンクリートブロックを使ってフェンスの柱となる部分を立てる方が安易です。
地面に穴を掘り、コンクリートブロックを半分埋め込み、あらかじめブロックにあいている穴に柱をたてモルタルで固定します。
フェンスは木製でもアルミ製でもホームセンターで簡単に購入することができます。
DIYで目隠しフェンスの作り方!
すでにコンクリートブロックがある状態からの目隠しフェンスの作り方をご紹介します。
事前準備
まずはどのような場所にどのぐらいのサイズのものを作るかを明確にするため、設計図を書いてみましょう。
設計図作製
DIYですので、自分自身がわかればいいだけですから手書きで作成するもので十分です。
仕上りの寸法(長さ、高さなども明確に)を決め、仕様するフェンスの大きさ、高さを確認したうえでブロックとフェンスの隙間なども考慮し仕上り図面を作成します。
実寸法で書く事はできないため縮尺定規があると便利です。三角スケールという定規を使うと1/100~1/600のあいだで縮尺図面を書くことができます。
紙は方眼紙があれば書きやすいですが、なければ無地の紙でも大丈夫です。
工具の用意
柱を固定するためにモルタルを練らなければなりません。
本来モルタルは砂や土を混ぜて作りますが、ホームセンターに簡単にできるインスタントセメントというものが売られています。
これを使えば水だけでちょうどよいセメントができますので、これらを練るバケツとスコップがあれば十分です。
インパクトドライバー
ビスを固定するのには電動工具があると便利ですし、しっかりとビス止めを行うことができます。
またアルミ製や木製の柱にビスを打つ場合、下穴をあけることがありますので下穴ようのドライバービットも必要です。
水平器、のこぎり、塗料
柱やフェンスが真っ直ぐ立っているかを確認するために水平器は必需品です。100均でも取扱がありますので、必ず用意しておきましょう。
木製のフェンスの場合は木材の長さをカットしなければなりません、そして木材の劣化を防ぐために防水・防腐塗料を塗っておきましょう。これらに必要なのはのこぎり、塗料、刷毛です。
作り方、手順
材料を木製にするかアルミ製にするか、木樹脂にするかを決め材料を揃えます。
ホームセンターで購入する場合は材料のカットもしてもらっておけば、施工がずいぶん楽になります。ここでは木製目隠しフェンスの作り方や手順について紹介します。
材料の拾い出し~入手
設計図に基づき、柱が何本いるのかフェンスになる部分の木材がどんなサイズ何本いるのかを拾い出します。
そしてホームセンターに行き出来る限りカットをしてもらいます。DIYは切り口が重要です。まっすぐ切れていなければ仕上りが歪んでしまいます。
コンクリートブロックに支柱をたてる
フェンスを固定するための支柱をまず立てます。コンクリートブロックにあいている穴に支柱を差し込み、セメントを流し込みます。
その際、木端の木材でくさびを作っておくと、セメントがあらかた乾くまで支柱を真っ直ぐして固定しておくのに非常に便利です。支柱の水平がフェンスにも影響してくるため、この作業は慎重かつ正確に行いましょう。
木材に塗料を塗る
防腐処理をした材料を買えばこの手順は不要ですが、費用が高くなるため生木で行う場合うは必ず塗装をしておきましょう。
なにも処理をしないでおくとすぐに木が腐ってしまいます。塗料はできれば2度塗りすることがおすすめです。色の付き具合と塗膜の強度が1度塗りと2度塗りでは大きな差があります。
フェンスを支柱に固定
塗料が乾いたらフェンスとなる木材を支柱に固定していきます。柱と木材に下穴をあけると木の割れを防げます。
面倒でも必ず下穴をあけるようにしましょう。クランプなどで固定をしながらビス打ちをするとズレがなく作業も捗ります。
作る際の注意点やコツは?
DIYで目隠しフェンスをつくるのは根気がいる作業です。寸法を測ったり、材料のカット、組立時の角度や水平などなるべく丁寧にすることで仕上りはかわってきます。
長い木材を固定する場合は補助してくれる人がいると作業効率はグッとあがります。
1枚1枚の木の板を柱に固定しておくのが大変なら、フェンス部分は別に組み立てておき仕上ったものを支柱に固定するという方法もあります。この場合材料が増えてしまいますが、最終フェンスの設置は楽になります。
どのような方法が簡単で仕上りがよくなるかを設計図の段階でよく検討し、作業に入ることが失敗をしないコツではないでしょうか。
目隠しフェンスのDIY vs 業者に依頼した場合の費用を比較!
DIYで目隠しフェンスを作るのと業者に依頼した際の費用はどの程度違うものでしょうか。
DIYの場合
DIYで幅180㎝高さ150㎝仕上りのフェンスを木製で作る場合、材料費は10,000円~15,000円くらいです。
手間代は要りませんので実費として2万円もかからないでしょう。
専門業者の場合
同じ大きさの物を業者に依頼した場合は木製であれば70,000円~90,000円、アルミの既製品で取り付ける場合は100,000円~150,000ぐらいです。
どのような商品を選ぶかで金額の差がありますが、アルミ製品を使うより、大工で造作するほうが多少は安くなります。
しかし木は年数が経てば腐ってしまいます。定期的に塗装のメンテナンスを施せば長持ちはしますが、アルミ製の方が長寿命です。
費用で考えればDIYが断然安くなります。
しかし素人が作ったものですので強度に不安は残ります。そしてメンテナンスも小まめに行わなければ数年で傷んでしまうことになります。
長い目で見ればアルミ製を業者に依頼することが良いのですが、DIYで作りメンテナンスしていくのは、大切な家を守る楽しみでもあります。
欧米などの家は家主がDIYで家をメンテナンスしていくことが当たりというのもその国の文化ですね。
失敗しない目隠しフェンスのDIYキットおすすめ3選
中川産業木材 「キットデッキ」
こちらの商品は仕上り設計図を作成し仕様する柱、板材の大きさなどの寸法を決めると固定用のビス、木材のカット、補強材なども一括して販売してくれます。
天然木に塗料を施した材料を扱っており、仕上り高さ150㎝、長さ2mほどのフェンスで材料費は20,000円ほどになります。
RESTA DIY SHOP 「パネルフェンス」
出典:パネルフェンス
パネル型に組み立てられた樹脂製品を仕様すれば基礎となるコンクリートブロックにモルタル固定をするだけで目隠しフェンスを立てることができます。
枚数によってフェンス同士を連結すれば強度も増し、手軽に設置することができます。幅90㎝高さ180㎝のもので15,000円ほどですが作業が簡単な分、DIYで設置するには有効です。
ココカグ 「ピケットフェンス平地用」
出典:ココカグ
海外の庭にあるような木製フェンスのキットです。平地用を選択すればコンクリートブロックに固定をすることも簡単で、支柱となるポールと完成品のフェンスを取り付けるだけ。
見た目もかわいく、施工性も簡単です。1セット10,000円ほどですので費用も抑えられるのではないでしょうか。
まとめ
プロに依頼をして丈夫で耐久性の高い目隠しフェンスを取り付けることは費用がどうしてもかかります。
DIYで一から作ったり、市販のキットを使い安価に仕上げるとこは十分可能です。予算と施工性をよく検討して自分にできるフェンスづくりをしてみると愛着が湧いてメンテナンスも楽しんでできるかもしれません。
まずは自分で出来ないかと考えるところから始めてみてはいかがですか?