マンションを保有している場合、転勤などライフスタイルの変化により売却を検討する方もいることでしょう。
しかし、マンションを保有したまま賃貸として貸すことで、空きマンションを活用することができます。
マンションを貸す場合、毎月の家賃収入が入る、マンションを売却せずに済むなど、いくつかのメリットも見込めます。
そこで今回は、マンションを貸す方法とメリット・デメリットについて解説します。保有するマンションの活用方法を知りたい方は、ぜひ目を通してくださいね。
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マンションを貸す大きなメリット
マンションを貸す場合、家賃収入を得るなどいくつかのメリットがあります。はじめに、保有するマンションを貸す場合のメリットから見ていきましょう。
家賃収入が得られる
はじめに、家賃収入が得られることがあげられます。借主との直接契約か、不動産会社などに仲介を依頼するかにより、手元に入る金額は変動しますが、毎月一定の不労所得を得ることができます。
一般の賃貸マンションとして募集する際は、借主の家賃滞納などのトラブルを避けるために、不動産会社や保証会社を通して契約することをおすすめします。
住宅ローンの返済ができる場合がある
マンションの住宅ローン残債がある場合、家賃収入で得たお金を返済にあてることも可能です。家賃の金額によっては毎月の返済額をすべてカバーできる可能性もあるでしょう。
ただし、一般的な住宅ローンは契約者の居住用としての借り入れが条件なので、貸す場合はローン契約そのものに違反する恐れが出てきます。そのため、マンションを貸す前にローンを組んだ金融機関に契約内容の確認と、貸す場合の手続き方法などを確認しておきましょう。
節税効果が得られる場合がある
家賃収入は本業以外の副業と認識されるので、年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。確定申告ではマンションを貸すためにかかった費用を経費として計上できるため、場合によっては節税につながる可能性があります。
経費は所得から控除されるため、課税対象の所得額が引き下げられ、結果的に節税につながるわけです。マンションを貸し出す際は、経費に認められる項目などを事前に確認しておきましょう。確定申告が初めての方は、税理士に相談するのもおすすめです。
資産価値を維持できる
住宅は空き家にしておくと換気を含むメンテナンスが行われないため、傷みやすい傾向があります。その点、貸すことでこうしたメンテナンスが行われるようになり、資産価値を維持しやすくなります。
家賃以外に管理費や修繕費なども積み立てるなら、屋内・外の定期的なメンテナンスが可能となるため、空き家にしておくよりも資産価値を下げずに済むでしょう。
賃貸用物件より高く貸せる可能性がある
分譲マンションは、そもそも長く住み続けることが多いため、セキュリティや間取り、その他のサービスが充実していることが多いです。一般的な賃貸マンションに比べて設備が整っている関係から、高めの家賃設定でも貸せる可能性があるでしょう。
マンション内に駐車場やジム・プールなど、住人だけが利用できる付加価値がある場合はより高めの家賃設定にしてみるのもおすすめです。
マンションを貸す方法。流れ
マンションを貸し出す方法について、主な流れを解説します。不動産会社に相談する方法もありますが、まずは大まかな流れを把握しておきましょう。
客付けや管理を任せる不動産会社を決める
はじめに、入居者を募集(仲介)する不動産会社を決めます。賃貸マンションの扱い実績が豊富にある、仲介実績がたくさんあり口コミなどもチェックして、信頼できるところを複数ピックアップしてください。
ピックアップできたら実際に連絡を取り合い、マンションを貸したい意向を相談します。なお、物件に管理会社が入っている場合はその管理会社に相談するようになるため、こちらもあわせて事前に確認しておきましょう。
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賃貸借契約の条件等を決める
家賃をはじめとする賃貸借契約の条件は、不動産会社や管理会社に相談しながら決めます。一般に契約内容については不動産会社や管理会社の規定のものでも問題ありませんが、普通賃貸借契約と定期賃貸契約のどちらにするかで貸し出す期間が異なります。
普通賃貸借契約とは
普通賃貸借契約は、一般的な賃貸物件で交わす契約方法で、おおむね2年更新、借主が見つかりやすい一方で、正当な理由がない限り貸主(オーナー)から契約解除ができない側面があります。
定期賃貸契約とは
定期賃貸契約は、1契約あたりの契約期間を1年・6カ月などのように設定できる契約方法で、転勤の間だけ貸すといった場合に最適です。しかし、限定的な契約となるため借主が見つかりにくい点がウィークポイントです。定期賃貸契約で貸す場合は、家賃や管理費などを下げるなどの対応が必要でしょう。
家賃を決める
家賃は貸主であるオーナーが自由に設定できますが、なるべく相場に合った家賃を設定することが重要です。築年数や間取り、エアコンなどの住宅設備、周辺施設なども含めて検討すると良いでしょう。
入居者の募集
入居者の募集は、仲介する不動産会社や管理会社が行います。適切な内容で募集しているか、問い合わせがあるかなど、定期的に確認しましょう。
契約する
入居希望者が現れたら、仲介する業者は契約者の継続的な支払い能力をはじめ、トラブルを引き起こさないか、室内をきれいに使ってもらえるかなどの審査を行います。審査が通れば契約書を締結します。その後、入居者が引っ越しして生活を始めるのが一般的なマンションを貸す流れです。
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マンションを貸す前にやるべきこと
マンションを貸す際は、屋内の清掃はもちろん事前にやるべきことがあります。ここでは、事前にやっておきたいことをチェックしていきましょう。
賃料査定を行いリアルな収支シミュレーションをする
ある程度、マンションを貸す準備が整ったら、賃料査定を行いリアルな収支シミュレーションを行います。収支シミュレーションとは、収入と支出の金額を把握し、いつごろ収支がプラスになるのか試算することです。
マンションを貸し出す際にかかる支出の内訳には、ハウスクリーニング代やリフォーム代、オーナーの引っ越し費用や不要な家具の撤去・処分費などが挙げられます。ほかにも、仲介業者に支払う手数料やマンションの管理費や修繕積立金の支払いなど、さまざまなランニングコストがかかります。
一方収入については、初回の礼金、毎月の家賃と共益費、更新の際の更新料が挙げられます。実際に発生する費用を算出できたら、その費用よりも多く収入が得られるよう家賃を設定し、赤字になるリスクを最小限に抑えるといった作業です。
ここでしっかりとシミュレーションしておくことで、いつごろにはプラス収支になるといった見通しが立ちます。
住宅ローンがある場合は事前に金融機関に連絡する
マンションを貸し出す前に、自身の居住用として借り入れしていた住宅ローン残債がある場合は、借り入れした金融機関に連絡しなければなりません。住宅ローンの借り入れ条件は、本人またはその家族が住むことを前提としているからです。住宅ローンの借り入れ条件が賃貸用に変更されることで、契約違反になる可能性もあるでしょう。
そのため、事前に金融機関に相談した際に、住宅ローンから不動産投資用のローンに切り替えを求められることもあるでしょう。ただし、貸し出す期間が転勤の間だけといった一時的なものと判断された場合は、住宅ローンのまま許可してもらえることもあるので、状況に応じて金融機関に相談し、対応することが必要です。
物件の状態を確認し記録する
マンションを貸し出す前に室内の写真を撮り、借主が物件情報を把握しやすいようにしておきます。募集する際に役立つだけでなく、借主が退去する際の経年劣化や修復か所の有無などを把握することにも役立ちます。空き家になるたびに物件の写真を撮り記録することで、いつでもフレッシュな情報提供ができるでしょう。
禁止事項を決める
契約書に記載する禁止事項も決めておく必要があります。例えば、室内での喫煙を禁止する、ペットは原則不可、近隣住民に迷惑となる行為を禁止するなどがあげられます。一般的には仲介業者がある程度の禁止事項を提示するので、オーナーとして追加したい項目があれば追記してもらうようになります。
物件に対する保険の見直し
住居向けとオーナー向けの保険は、必ず内容を確認して必要に応じて見直しや条件の変更などをしておきましょう。また、借主には火災保険や地震保険など各種保険の加入を促すことで、万が一の際にお互いのトラブルを避けることができます。
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マンションを貸すデメリット、注意点
マンションを貸す際は、多くのメリットがあるとお伝えしましたが、注意しておきたいデメリットもあります。メリットと併せて把握しておき、適切なマンション活用の参考にしてくださいね。
不動産会社(管理会社)に支払う費用が発生する
物件の借主募集の際に、不動産管理会社などの仲介業者を利用すると、便利な一方で仲介手数料や管理手数料などが生じます。具体的な金額は業者により異なるため、これらの費用は事前に確認しておきましょう。なお、仲介業者への支払い手数料は、確定申告の際に経費として計上できるので、支払ったことがわかる書類も保管しておきましょう。
自己都合(貸主)の途中解約はできない
借主と賃貸契約を締結すると原則として、賃貸期間の途中で解約を申し出ることはできません。普通賃貸借契約では、借主が更新を望めば、オーナー側に正当な事由がない限り更新でき、借主が更新を拒否する場合は退去を求めることができます。
そのため、オーナーの都合で貸していた物件に戻りたいとしても、賃貸契約が続いているうちは途中解約ができません。転勤など会社都合で各所への滞在期間が変わることもあるので注意が必要です。
空室リスクがある
せっかくマンションを貸す準備を整えても、必ず入居者が現れるとは限らない点も把握しておきたいリスクです。問い合わせが少なく、なかなか入居者が決まらないときは、賃料を下げるか、礼金なしにするなど、なんらかの工夫が必要になるでしょう。
ほかの物件との差別化を図るために、エアコンなどの設備を最新機器にするといったことも検討してみてください。
まとめ
今回は、マンションの貸し出す際の方法やメリット・デメリットについて紹介しました。マンションを貸すことは、家賃収入が継続的に得られる、相続税の節税対策になるなど、さまざまなメリットがあり、保有するマンションの活用法としても魅力があります。
もしも、オーナーが別の場所に移住する、永住する場合なら、保有マンションは長期的に貸すことが可能となり、家賃収入も長期継続的に得られます。そのため、貸す前にはハウスクリーニングなどの事前準備をしっかりしておき、収支シミュレーションを行って計画的に賃貸計画をたてることがおすすめです。
不動産会社や管理会社などの仲介業者を選ぶ際は、賃貸マンションの扱いが豊富にある信頼できるところを選んでくださいね。保有マンションの活用を検討している方は、ピックアップした仲介業者に一度、相談してみてはいかがでしょうか。
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