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空き家問題の原因と問題点。空き家対策の取り組み事例など

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空き家問題という言葉を最近メディアでよく聞きます。生活スタイルの変化によって使用しなくなったり、現在の建築基準を満たさず現状からどのように転用する事も出来ない家屋が、空っぽのまま様々な所で静かに朽ちています。

現在日本の人口は最盛期を超え減少に転じており、これからもこのような空き家の増加は更に右肩上がりに進行していくと考えられています。今こうしている間にもどんどん増え続けている空き家は、どのように我々の日常生活に影響していくのでしょうか?

本コラムではその原因から放置によって起こり得る問題の恐ろしさ、また問題を回避するために全国各地で行われている様々な取り組みをご紹介し、意外と身近で想像しているよりも恐ろしい、空き家問題について解説します。

読者の皆様方におかれましても、もはや他人事ではない事をぜひ知って頂き、その対策について考えるきっかけを作って頂きたいと思います。

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現在も着々と増え続ける空き家

下に2つのグラフを引用しましたのでご覧ください(引用元:国立社会保障・人口問題研究所、国土交通省)。

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まず最初に、日本の人口は2004年をピークに減少に転じています。人口の伸びは特に明治維新以降が顕著で、この間は急激に増える人の為にたくさんの住宅が必要となり、それに合わせて急ピッチでたくさんの住宅が建設され、供給されてきた事が窺い知れます。

高度成長期に建築された公団住宅が老朽化の為に取り壊され、新しい建物に建替えられるニュースなどは、まだ記憶に新しいですね。しかし世帯数については2015年を境に少しづつ減少傾向に転じていますが、ほぼ横ばいの状態です。

そしてその内訳について非常に世相を反映した興味深い変化が見られます。これらの数字から何が連想できるでしょうか?

まず、人口減に対し住宅の総数が飽和状態にあり、空き家が増える事については容易に理解が出来ました。そして世帯数の内訳として、単身世帯については流れに逆行し、増加の一途をたどるのです。その他の世帯構成も年を追うごとにコンパクト化しています。

昔のように大家族を収容する間取りや面積の建物自体が、生活ニーズに合わなくなっている事がこの数字を見て読み取れます。つまり中古物件が現代人のライフスタイルに適合していないのです。この現実が、空き家問題を更に加速させている事に、皆様もお気づきになられたでしょう。

空き家の問題点はどこにある?

チェックリスト

では、空き家が増えるとどの様な問題が起こるのか考えてみましょう。

風化による倒壊、腐敗による虫害など、経年劣化に伴い周囲に及ぼす影響

仮にオーナー様がご近所にいらっしゃったとしても、誰も住んでいない建物をこまめにお手入れする事は中々出来ないでしょう。当然のことながらお手入れをしなければ家はみるみる朽ちていきます。

例えば木造建築であればシロアリなどの害虫が躯体を蝕み、放置しておくと果てには建物倒壊による大事故の危険性があります。特に住宅密集地においては、建物の腐敗、倒壊事故が隣家に及ぼす影響は相当に深刻であります。

また鉄筋鉄骨の建物であれば錆により同じく倒壊自己、そしてその錆が風に流れて道路付属物等に錆を呼び腐敗させることによる二次災害、子供が敷地内に侵入してもし怪我などをしたら、破傷風など重大な感染症の原因にもなりかねません。

管理者不在による侵入者が引き起こす問題

誰しも子供のころに一度は、いつもの通い道で見つけた空き家を秘密基地にした経験があると思います。

私が子供のころ、親に叱られ家出をして秘密基地に隠れていた少年が、寒さに堪えず暖を取るために、落ち葉や紙くずを集め、その秘密基地の中に隠れて燃やしていて建物を全焼する火事を起こし、放火の現行犯で補導され教護院行きになってしまっという何とも悲しい事件がありました。

また、空き家に隠れて集団で繰り返しシンナーを吸引していた少年グループも存在していました。そういった犯罪者は非行少年に限らず、人目につかない空き家は放火をはじめ、薬物売買や拉致監禁、不法投棄や果てには殺人・死体遺棄など犯罪の温床になる可能性を多分にはらんでいます。

あなたの所有する家は大丈夫?

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様々なケースにおいて、現在ご本人、もしくは肉親が所有してい物件が空き家になる可能性を含んでいる事でしょう。

例えば家族が生まれ育った実家。ご両親は晩年を迎え、設備の整った介護マンションを購入し、余生をゆっくり過ごされるご予定自身の世帯は一人っ子で分譲マンション住まいなどされていれば、その実家を必要とする人が家族の中には居なくなります。

また、生活スタイルの変化に伴い住宅の建替えを考えたが、所有土地の坪数が現在の建築基準に適合せずにそれがかなわず、売却するにも現状では買い手がつかない様な狭小建売住宅を止むを得ず所有したままである。このように、どうしようもない空き家のオーナーに突然なってしまう可能性は、誰にしもあるのではないでしょうか?

空き家問題に立ち向かう取り組みの例

都市部、農村部問わず深刻になりつつある空き家問題。その場所柄や特徴を実によく捉え、むしろ空き家の持つネガティブなイメージすらも逆手に取った、目から鼻に抜けるようなアイディアで空き家を活用している例が全国各地に存在しています。特に目を引いた活用例についてご紹介します。

里美古民家の宿 荒蒔邸(茨城県常陸太田市)

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築150年、建坪約80坪の古民家を改修し、田舎暮らしの様々な体験ができる農家民宿としてリメイクしている。古民家のならではの味わいや、古来の台所など、現代の生活から見るとかえって新鮮なスローライフを見事に演出し、人気を呼んでいるようです。

参考:里美古民家の宿 荒蒔邸

空堀商店街(大阪市中央区)、中崎町(大阪市北区)

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大阪の商業地の中には、ところどころ昭和20年代に活況を呈した長屋の街並みが残っている。街の外れに取り残されたこれらの空き家を、アートやカフェの街にリメイクし、新たな名所としてその名を知らしめたのは、その立地の良さと昭和の建物の芸術性に気付いた若者たちでした。

廃墟のような町はその面影を残しつつもそれぞれのオーナーのセンスで思い思いのリノベーションが施され、新たな時代の流れを発信する基地としてランドマークとなっています。

参考:「空堀商店街周辺と北区中崎町界隈」レポート

まとめ

一口に空き家と言っても、その経緯によって対応の仕方は様々です。個人で対応できる場合もあれば、相続にかかる物件であれば法定相続人全員で考える必要もありますし、老朽化した分譲マンションを現住民の結束により建替えるケースなど、家族を超えもっと多くの人の利益と競合し、その活用法において慎重かつ大胆なすり合わせが必要となる場合も多分にあります。

ただ、これから許されません。正面から問題に向き合い、事が起きる前の万全なる対策が問題を回避すると私は考えます。

まずはご自分のケースについて必要な資料を集め、場合によっては必要な知見をプロの意見に委ねその方法を講じる等、所有者一人一人の危機意識と対策に対する義務感が、この問題については必要であると筆者として切実に考える次第です。

 

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